「そろそろお墓のことを、子どもたちと話し合っておかないと」。親御さん世代からは、そんなお声をよく伺います。一方、お子さん世代からは「親とお墓の話をしたいけれど、どう切り出したらいいか」というご相談もあります。世代は違えど、お墓のことを気にかけておられる方は本当に多いです。
当店にも、連休明けに「兄弟で話し合って決めました」「親と一緒に見学に来ました」とお見えになるお客さまが、毎年何組もいらっしゃいます。一方で「結局、今年も話せませんでした」というお声もあります。お客さまのご様子をそばで見ていると、話し合いがうまく進むご家族には、いくつか共通点があるように感じてきました。
今日はそんな、お客さまから教わったことを、世間話のようにお話ししてみます。親御さん世代の方にも、お子さん世代の方にも、何かしらご参考になれば幸いです。
なぜゴールデンウィークにお墓の話が出やすいのか
お墓のお話は、お盆や一周忌・三回忌のときにされる方が多いです。ただ、こうした場はどうしても「お墓の前で意見をぶつけ合う」形になりやすく、かえって話が前に進まないこともあるようです。
ゴールデンウィークは新緑の季節で、みなさん気持ちに余裕があります。帰省されたご家族と、自宅でゆっくりお茶を飲みながら話せる。そんな時間が自然に取れる、数少ない機会です。
福岡県や九州では、春のお彼岸が終わってお盆まで少し間がある時期でもあります。「次に集まるのはお盆」と思うと、連休中に方向性だけでも共有されたご家族は、夏までに次の一歩を踏み出しやすいようです。
切り出し方に悩まれる方が多いようです
「最近どうしてる?」から入られるご家族が多い
いきなり「お墓、どうする?」と切り出されると、相手も構えてしまう。そう感じて、近況の話からゆるやかに入られるご家族が多いように見受けます。
「親戚の○○さんが樹木葬に入ったそうよ」「近所の人がお墓を整理したらしい」といった話題から入ると、自然に「うちはどうしようか」という流れになるそうです。
テレビや新聞で終活の特集が組まれたタイミングも、話を切り出しやすかったとよく伺います。「こういうのもあるんやね」と、一緒に考える姿勢を見せるのが、気負いのない入り方のようです。
一緒にお墓参りに行かれるのもきっかけに
ご家族だけでお墓参りに行かれたタイミングで話が進んだ、というお声も多く伺います。お盆や法事のように親戚が大勢集まる場とは違って、ご家族だけでゆっくり行かれるお参りは、雰囲気がまったく違うようです。
実際にお墓の前に立たれると、ご先祖が眠っておられる場所の重みが、改めて感じられるものです。手を合わせながら「ここにはおじいちゃんも、ひいおじいちゃんも眠っておられる」「うちの家をずっと守ってきてくれたんやね」と、ご先祖への思いが自然と口から出てくる、というご家族もいらっしゃいます。
そうした気持ちの中で、「このお墓を、自分たちの代でどう大切にしていくか」という話が、自然な流れで出てくるそうです。「やっぱりこのまま守っていきたい」というご意見もあれば、「今の場所では難しいから、形を変えて受け継ぎたい」というお話になることもあります。どちらも、ご先祖を大切に思われるお気持ちから生まれる選択です。
「家に帰ってからの話し合いが、いつもより穏やかに進みました」というお声もあります。GWは、親御さんとお子さんでゆっくりお墓参りに行ける、数少ない機会かもしれません。
避けられる方が多いタイミング
反対に、こういう場面は避けたというお話もよく聞きます。
- 食事中や外食の場:周りに人がいて落ち着いて話せなかった
- お酒が入った席:感情的になってしまい、決めたつもりが翌日覚えていなかった
- 帰り際の数分:時間が足りず、中途半端で不安だけが残った
朝〜昼のお茶の時間など、みなさんが落ち着いている時間帯に話されたご家族は、比較的スムーズに進んでおられるように感じます。
話題に出ることが多い4つのこと
誰が納められているか
代々受け継がれてきたような古いお墓の場合、「お墓の中にどなたが入っておられるか、実はよくわからない」というお話をよく伺います。祖父母まではわかっても、その前のご先祖となると、ご両親でもはっきり把握されていないことがあります。明治・大正の頃から続いているお墓だと、親戚筋の方が合祀されていたり、お骨の数や続柄がはっきりしないまま代を重ねてこられたケースも珍しくありません。
これは墓じまいや改葬をお考えになったときに、必ず引っかかってくるところです。改葬許可の申請書にも、どなたのお骨があるかを記入する欄があります。役所に出す書類のためにご親戚中に電話をかけて、結局どなたのお骨かわからずじまい、というお話も伺います。
ご両親やご親戚が元気でいらっしゃるうちに「うちのお墓には、どなたが入っとるの?」と聞いておかれたご家族は、その後のお話し合いがずいぶん楽に進まれているようです。連休で親戚が集まられたときは、こういう昔の話を聞ける貴重なタイミングでもあります。
いまのお墓をどうするか
ご家族で話されるとき、ひとつの軸になるのが「ご先祖を、自分たちの代でどう守っていくか」というお気持ちではないでしょうか。お墓を大切にしたいという想いはご家族共通でも、お住まいの場所、ご体力、お時間、ご予算など、環境はそれぞれ違います。その中で、ご家族に合った守り方を選んでいかれることになります。
守り方には、大きく3つのかたちがあります。
- そのまま継いでいく:ご家族で定期的にお参り・管理ができる場合
- 墓じまいをする:お墓という形はいったん整理し、お骨は合葬墓などで大切にお守りする
- 樹木葬などへ改葬する:今の場所から形を変えて、新しい供養のかたちでお守りする
どの選び方も、ご先祖を大切にされるお気持ちから生まれる選択です。どれが良い・悪いではなく、ご家族の環境に合うかたちを選ばれるのが、いちばん長く大切にしていける道のようです。
ご相談で多いのは、「遠方で定期的に通えないけれど、ご先祖のことは守りたい」というお話です。その場合、お掃除代行を頼みながら今のお墓を続けられる方もいらっしゃいますし、お参りしやすい場所へ改葬される方もいらっしゃいます。どちらも、ご先祖を想う気持ちから出てくる選択肢です。
誰がお参り・管理を担うか
「お兄ちゃんが継ぐんでしょう?」と思い込んでおられたら、弟さんは「それは兄貴がやるもの」と思っておられた。こうしたお話、本当によく伺います。
誰が中心になってお参りに行くのか。草取りやお墓掃除は誰がやるのか。年忌法要のときに声をかけるのは誰か。ふわっとでも共有されたご家族は、後々のトラブルを防げているようです。
お金の話をどこまで共有するか
お金の話は、日本の方は避けられがちです。ただ、「ご先祖をこれからどう守っていくか」を現実的に進めていくには、費用のお話も欠かせません。事前に共有しておかれたご家族のほうが、あとあと困ることが少ないようです。
- 今のお墓の管理費はいくらで、誰が払っているか
- お墓を維持していくための費用(ご自身で管理するのか、遠方なら掃除代行サービスを使うのか)
- 墓じまいをする場合の費用感
- 新しい供養先にかかる費用
- 誰がいくら負担するか
「遠方だから墓じまいしかない」と思っておられるご家族は多いです。ですが、年に1〜2回の掃除代行を頼みながら、今のお墓を続けておられる方も最近は増えてきました。費用を並べて比べてみると、代行を使って継いでいく選択肢のほうがご家族に合っていた、という結論になられることもあります。維持していくための費用も、話し合いの俎上に乗せておかれると、選択肢の幅が広がるようです。
「お金のことは父さんに任せていた」状態だと、いざというときに兄弟で食い違いが出やすいものです。通帳や契約書の場所まで共有する必要はありませんが、だいたいの金額感だけでも話されていると、ご家族の安心感が違うように見受けます。
話がまとまったご家族・まとまらなかったご家族
長年、石材店としてご家族の話し合いに立ち会わせていただく中で、うまくまとまるご家族・そうでないご家族には、やはり傾向があるように感じます。
まとまりにくかったのは、「長男だから」「昔からそういうものだから」と決めつけから入られたケースです。兄弟のどなたかが反発されて、結局何も決まらないまま解散、ということがありました。
スムーズにまとまったのは、「一度にすべてを決めようとしない」ご家族でした。連休中に方向性だけ共有して、具体的な業者選びや手続きはお盆までに、と段階的に進められていました。
もうひとつ印象的なのは、石材店や霊苑に一緒に見学に来られるご家族です。資料だけでは意見が割れていても、実際に現地を見られると「これならいいね」「ここは気になる」とイメージが共有できて、話が進まれることが多いように感じます。
お墓の相談先に迷われたときは
ご家族で話していると、「うちの場合はどんな選択肢があるのか」「具体的にいくらかかるのか」と、もう少し詳しく知りたくなる場面が出てくることがあります。
城戸石材加工所では、お墓のメンテナンスから墓じまい、樹木葬まで、お墓にまつわることを一通り扱っております。「結論ありき」ではなく、ご家族の状況を伺いながら一緒に考えさせていただきます。ご相談だけのご来店も歓迎しています。
それぞれの詳しい内容は、下のボタンからご覧いただけます。
お問い合わせ
- 電話:0930-33-5094(本社)/ 0930-24-6266(行橋営業所)
- お問い合わせフォーム:https://kidosekizai.com/contact/
まとめ
ご家族の話し合いは、ご先祖への感謝や「これからどうお守りしていくか」という想いを共有する大切な時間でもあります。ゴールデンウィークに大まかな方向性を共有されて、お盆までに詳細を詰めていく。この流れで落ち着かれる方が多いようです。
今回お話しした4つのことは、あくまで話し合いのとっかかりです。ご家族それぞれに事情があり、正解はありません。大切なのは、ご家族の中で納得のいく守り方にたどり着けること。その道中で困ったら、専門家に聞いてみるのも一つの方法です。
ご家族にとって、よいゴールデンウィークになりますように。
